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2000年の恋



 外国でコンピューターもなく生活することはとても不便である。日本の新聞もテレビもない。どこからも日本の情報が入って来ない。しかし、中国にいるので、別に日本の情報がなくてもどうにかなる。というより、ならざるをえない。中国に来て、ちょうど一年経ったころ、日本のドラマ「2000年の恋」がここ中国でも放送された。金城武も、中山美穂、出演者全員日本語で話していた。通常日本のドラマが放送される場合たいてい、中国語だが、2000年の恋だけは違った。日本のヒットドラマ、「GTO」など、フジテレビ系列のテレビが中国語で放送されているが、日本語で放送されたのははじめてであった。反町隆史が中国語で、熱演してもいまいちピンと来ないし、変な感じがする。日本のドラマは日本語で見るから面白い。つくづくそう思う。
 日本であれば、あまりドラマを見ないが、ここでの生活の中で、このドラマを見るのはわたしの毎週の楽しみであった。毎日、言葉の分からない中国語テレビを見ても、全然楽しくない。毎週日曜日、夜10時半スタート。金城武の役どころがちょうど、わたしのいる中国と重なり、彼のせりふがとても身にしみた。きっと普通に生活している日本人には分からなかったに違いない。わたしはこのドラマにはまった。ドラマにはまるなんて久しぶりのことである。それくらい日本語と日本人に飢えていた。
 中山美穂はいつみてもきれい。うっとりしながら彼女を見ていた。2月に日本に春休みで戻ろうと思っていたわたしは、普通に日本に帰るのはつまらないなーと思っていた。
「中国に住んでいるから、日本のファッションについていってないと思うでしょう?」
「ところが、わたしは何が流行なのか知っているのよ。」
友達はわたしがおしゃれな格好で帰ってきたら驚くだろうな。一人ほくそえんでいた。
中山美穂の格好はきっと今日本ではやってるに違いない。彼女は白のセーターに黒のリックサックをからっていた。この白のセーターがドラマの何よりわたしの心に残った。
「きっと日本では白が今年の流行色に違いない。」そしてレインコートのような生地のジャケット。色も白だった。わたしはさっそく買い物に行った。白のセーターを見つけるのは全然難しいことではなかった。
 さっそく白のセーターを買って、中山美穂のかぶっていたかばんに似たものを買って、ほぼ全身真っ白で日本に帰った。友達を驚かしたいと思ったわたしは生まれて初めて髪の毛の色も変えていた。
髪型は中国版の髪型。超ショーットカット。
「中国でわたしは生まれ変わったのよ。」おしゃれになって、髪の毛の色も今風に変えて。
日本についたその日から友達に無理矢理会って、皆に中山美穂の格好を自慢した。
「おしゃれになったね。」と言われるのを予測していたら、「何、その髪の色と髪型。キンシコウみたい。」そのあと皆に大笑いされた。
そう、生まれて初めて髪の毛を染めたわたしは、美容院で髪を染めると高いので、自分で適当な色を買って、髪の毛を染めた。そしたらとんでもないことになったのである。金髪になってしまった。しかもまだ北京でかけた強烈なパンチパーマが残っていて、とんでもない髪形になっていた。色の選択を間違ったばかりか、時間も間違って、とんでもないことになっていた。
 わたしの自慢の白のセーター、自称中山美穂は、髪型と髪の色のインパクトの強さで、全然友達の印象に残らなかった。
 わたしはドラマ「2000年の恋」は中国でとても話題になったので、日本でもヒットしていると思っていたら、そうでもなかったらしい。 わたしの努力は誰にも理解してもらえなった。自分ではかなりいけてるつもりだったのだが、友達から見れば、金色の猿が白色のセーターを着ているとしか見えなかったらしい。
 発展途上国で情報を得るのも一苦労である。。

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